後を濁さず立ち去る

仕事が出来る人は退職後に分かると言われる。組織の先頭に立って活躍していた人が、必ずしも「仕事の出来る人」とは言えない。会社は一人で運営しているのではなく、組織で動いているのだ。どんなに腕利きと言われる人であっても、その時の条件が必ずある。例えば、戦国武将を見ると織田信長・豊臣秀吉・徳川家康にはそれぞれ優秀な参謀が付いていたのだ。裏を返せば、取り巻きの参謀をスカウトしたり、参謀を上手く動かせることが「仕事の出来る人」の条件となる。このような人が退職する時にこそ引き際が重要で、引き際を考えた言動が必要になってくる。それは、場合によっては本人が辞めた後に組織が崩壊しかねないという事態を引き起こしてしまうからだ。

退職にあたっての心構えは、準備の日数が最も重要になる。会社の就業規則では定年を決めているが、辞める日時を誰にでも分かるようにしているのは、自分自身と会社がお互いに心構えを共有するためのものでもある。定年を迎える一年前から、お互いに仕事の引き継ぎが日常の中で自然と行われて行く。ところが、定年ではなく突然辞めるとなればお互いに心構えを持つ間もなく、辞めた後の後任人事や業務の引き継ぎも中途半端になってしまい混乱を起こすことになるのだ。中には、「私が辞めた後にどれだけ偉大であったかが分かるだろう」と考える人もいるが、これは大きな錯覚である。辞めるにあたって、業務が更に進展するように人事や業務の仕組みを整理して居なくなる人物が「本当の出来る人」である。辞めるからと無責任なことはせず、自分自身と会社が退職に関する心構えを持てるようしっかり配慮しなければならない。

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